大量の宿題を一律に課して、問題をたくさん解く経験を積ませる学習方法。
まだまだ学校現場で見かけることも多いですよね。
確かに学習の質が大切と言われながらも、一定の学習量が必要なことも事実です。
しかし、一人ひとり個性がある生徒相手に、一律の宿題でよいのかと考えると疑問です。
一律で大量の宿題は、教員側が「これだけやってほしい」という教師主体の学習なのです。
今回は、一律の宿題を廃止し、生徒が主体的に家庭学習を進めるための方法を紹介します。
初めに一律の宿題の問題点を紹介し、そのあと生徒が主体の個別最適化された家庭学習に向けたポイントを紹介します。
「もう問題意識は十分ある」という方は、目次からスキップをして読んでみてください。
高校の数学教員として10年以上授業をしてきました。
授業では内容を教えるのではなく、学び方を教えるをモットーに授業作りをしています。
校内に根付いた大量&一律の宿題に疑問を感じ、家庭学習を生徒に選択させることで進学実績の向上を体験。
以来、学習の自己調整力を高める方法について模索している。
目次
知識・技能のための「宿題」と思考力・判断力・表現力のための「課題」を区別する
まず、今回の記事で考える「宿題」の前提について話をしておきます。
家庭学習の内容を考える際に、評価の観点を軸にして宿題を2つに分けてみます。
- 知識・技能の定着のために行うもの
- 思考力・判断力・表現力の向上のために行うもの
の2つです。
これは私個人の分類であって、どこかで定義されているわけではありません。
もう少し詳しく見てみましょう。
知識・技能 | 思考力・判断力・表現力 |
---|---|
繰り返しの学習で、知識や技能の定着を図ろうとする | 知識・技能を活用して思考し、自分なりの言葉などで表現するような課題 |
・教科書の予習 ・問題集で問題を解く ・単語テストに向けた単語の暗記 | ・既習事項と関連付けながら、レポートにまとめる。 ・自身で調査・整理したものをプレゼンするための準備 ・グループ活動の計画・実践・振り返り |
この記事では知識・技能ベースのものを「宿題」、思考力・判断力・表現力ベースのものを「課題」と呼ぶことにします。
課題については、いわゆるパフォーマンス課題と呼ばれるものになります。
これらは授業内で行うことができれば理想ですが、授業をきっかけに学びをさらに深めるために家庭学習まで広がることは十分考えられます。
今回の記事では、知識・技能ベースの「宿題」について、一律に課すことの問題点とその対策について話をしていきます。
一般的な「宿題」のイメージですね。
パフォーマンス課題は授業と関連付けられているので、一律の課題でもよいのです。
評価に加える場合には、同じ課題でなければ評価できないですしね。
一律の宿題による問題点
では、一律の宿題は何が問題なのでしょうか?
1.個々の生徒の学力に対応できない
学力の高い生徒が、簡単に解ける基本問題を行っている。
苦手な生徒が発展問題に手をつけられず、答えを写すだけになっている。
このような場合を多く見かけます。
それって確かに学習効率が悪いですね。
この背景には、教員による「このラインまで到達してほしい」という願いがあるんですね。
多くの場合、「模試で点数を取らせたい」「国公立の進学者数を増やすためには」など、学年や学校の目標に応じて、ラインを決めているでしょう。
しかし、これには問題もあります。
基準の幅が狭いこと
授業の目標を達成するための評価規準は一つでもよいかもしれません。
ただ最近では、ルーブリックを用いてA基準、B基準など評価基準を複数設けることもあります。
一方、宿題は授業の目標を達成することとは大きく異なります。
なぜなら、家庭学習の大きな目標の一つは大学進学だからです。
大学受験となれば、志望校は人それぞれですね。
国公立大を目指す生徒もいれば、私大を目指す生徒もいます。
目指す大学の難易度も、個々の生徒によって異なります。
そのような状況の中で、「ここまで到達してほしい」の基準は統一されるものではありません。
一つの基準では幅が狭く、対応できないのです。
「ここまで」の基準が教師の主観
「ここまで」があくまで教師の基準であることも問題の一つです。
宿題を設定するのは教員側です。
そのとき、「国公立行くならこれくらいは」など、自身の受験経験や指導経験に基づいて決定しがちです。
基本的にその教科・科目を得意としてきた先生が宿題を出しています。
すべての生徒が、その想いに応えられるわけではありません。
また大学進学を考えた際にも、生徒によって受験戦略は異なります。
「数学が苦手でも英語が得意であればカバーできる」ということもあります。
一つの教科だけで、絶対の基準はないのです。
さらに大学の出題傾向は変わり続けますから、自身の感覚を強制させるのは相当な勉強と覚悟が必要です。
経験豊富な先生だからこそ一定の基準を全員に強制するのではなく、個々の生徒に応じたアドバイスをしてほしいのです。
基準以上に到達できる生徒の目的地がない
宿題を出すとき、どのラインを想定してますか?
教科書レベルは、確実に解けるようにとか?
でも、受験で対応できるように発展問題も入れるとか?
基準を示した際、生徒によってレベルが高すぎたり、逆に低すぎたりすることがあります。
「最低限これは」と基準を低くした場合、上位の生徒は時間の無駄になることがあります。
ただ上位の生徒は上手く宿題をこなしますし、自身で学習を進められるので、あまり問題ではないかもしれません。
一番注意をしなければならないのは、中間層で先生の指示をしっかり聞く真面目な生徒です。
- 中学までは、先生や塾の言うとおりに勉強をしてきた。
- そして高校受験を突破した成功体験がある。
このような場合、「先生の言うことをやっておけば間違いない」と誤概念を持ってしまうことがあります。
すると、学校の宿題が終わり教師の示す基準に達すれば、そこで学習が終わります。
もっと上を目指してほしい、でも自分で課題を見つけられる段階に到達していない。
そのような生徒は、目指す場所がないのです。
それぞれの生徒の学力に対応するために、一律の宿題から脱却する必要があるのですね。
2.生徒にとって適切な学び方とは限らない
学力以外に、相性のよい学び方も生徒によって異なります。
例えば、
このような場合にも、一律の宿題では対応できないのです。
もちろん生徒のやり方が全て正しいわけではなく、教師側が学習方法を身につけさせたいと思う場合もあるでしょう。
しかし、それが全員にぴったり当てはまるとも限らないのです。
ときどき「数学は復習の教科だ」「ICT教材では学力はつかない」と決めつけてしまう場面を目にします。
これこそ自身の経験による主観に偏っている状態であり、多様な学習方法をとることの大切さを見失っているのです。
学習方法も個別に提供していくことが必要なのですね。
3.強制された勉強は、本来の学びではない
私は「勉強しろ」という言葉はあまり使いたくありません。
勉強という言葉は「強いて勉める」とよく言われます。
一方、学習とは自ら学びを創るものです。
これに勝る学習はありません。
教育の目的の一つは、自律した学習者を育てることです。
大学に合格させることは、目標であって目的ではありません。
卒業後は、学校では教えきれない新しく大切な学びがたくさんあります。
税金の仕組み、政治・経済、金融、国際問題、コンピューターの活用、ビジネスの知識、などなど数えればキリがありません。
教師が行うことは、生徒がこれからの複雑な社会を生き抜いていくために、自ら課題を発見し学び続ける力を育てることでしょう。
4.一律の宿題では、「主体的に学習に取り組む態度」を評価できない
宿題を評価に入れるのってどうなんでしょうか?
よく目にする光景ですね。
知識・技能の定着を図る「宿題」を総括的評価に用いるのは本質でない気がします。
ときどき、宿題を提出しない生徒に対して厳しく指導をしている場面を見かけます。
提出日に出したら5点。
次の日に出したら4点、なんて成績をつけている様子を目にしたこともあります。
これは本質ではありません。
目的と手段がズレています。
知識を定着させるために宿題を出すのに、評価をするため宿題になっているのです。
ときに、家庭学習をどれだけやったかが「主体的に学習に取り組む態度」、一昔前では「関心・意欲・態度」であると考えてしまうことがあります。
しかし、一律の宿題を「いつまでに出したか」「どれだけこなしたか」は、主体的に学習に取り組む態度には該当しないでしょう。
令和4年度より観点別評価が始まったことにより、なおしっかり区別をする必要があります。
こちらの図は、文科省が定義した「主体的に学習に取り組む態度」の評価を表した図です。
出典:国立教育政策研究所 「指導と評価の一体化」のための学習評価に関する参考資料
この図が画期的とされているのは、評価を2次元で捉えたことです。
与えられた宿題をどれだけ時間をかけて粘り強く取り組んだとしても、自分で学習を調整しなければ評価は「C」になるのです。
これはまさに、一律の宿題の限界を理解する上で重要な視点になるでしょう。
個々の生徒が自身の学習を調整しながら、取り組める学習が大切なんですね。
そもそもパフォーマンス課題については「思考力・判断力・表現力」や「主体的に学習に取り組む態度」の評価として活用しますが、「知識・技能」はペーパーテストで測ればよいと私は考えています。
個別最適化された家庭学習を支援するポイント3選
一律の宿題の問題点は、よくわかりました。
でも家庭学習はしっかりやってもらいたいです。
これまでに紹介した問題を克服するために、家庭学習のポイントをここから紹介します!
一律の宿題に問題があるとは言っても、基本的な知識・技能を身につけさせるための学習は重要です。
これらを全く行う必要がないと言っているわけではありません。
一人ひとりが自身の学習到達度に合わせ、適切に学習を進めることが大切なのです。
そのために、個別最適化された家庭学習を教師が提供するのです。
しかし主体的な学習が大切だからといって、すべてを丸投げにするわけにはいきません。
高校の学習は中学までの学習とは科目の種類、学習内容の量や難しさも異なります。
自身で適切な学習方法を身につけているつもりでも、高校では対応できない場合もあります。
ですから、教師がしっかりとモデルを示してあげることは必要だと思います。
そのとき、教師が自身の経験論を全員に一律に押し付けてはいけません。
複数の学習法を提供することで、生徒が学習内容を選択し学習方法アップデートするチャンスを与えるのです。
自律した家庭学習のためのポイント詳しく見ていきましょう!
学力に応じて課題を選ばせる
まずは生徒の学力に応じて、家庭学習の内容を提供しましょう。
私自身が数学を専門としていますので、数学を例に挙げてみます。
ご自身の教科・科目ではどのようにできるか、同じように考えてみてください。
生徒の中には、数学が得意な生徒もいれば苦手な生徒もいます。
基本的な学習は自学ノートに行いますが、どのように学習を進めるのか予め複数の選択肢を提供しておきます。
こちらからすれば、当たり前の学習法を複数用意します。
大切なのは自身の現状に応じて家庭学習を選ばせるのです。
「数学が苦手で試験で確実に60点を目指したい人は〜」
「数学を受験で武器にしたい人は〜」
など、選択のアドバイスを添えることも始めは大切です。
また細分化したことにより、一つだけでは効果が低いことも考えられます。
生徒の実態に合わせて複数を組み合わせて、学力に応じた3パターンくらいを教師がモデルとして提供するのもよいでしょう。
自分で考えてもよいし、モデルを参考に学習を進めてもよいってことですね。
自身の実態に合わせて選択できる手立てが大切です。
1年生のときはモデルを提供して2年生からは自分で考える、というのもよいですね。
学習の方法や媒体を自由に選ばせる
問題の難易度だけでなく、学習方法にも選択の幅を持たせてみましょう。
UDLのような発想で、何を用いて学習を進めるのかも自由に選べる工夫があるとよいです。
問題集をひたすら解いたり紙に書き殴るのが全てではありません。
映像学習を活用する方が頭に入りやすい生徒もいます。
電子版の問題集で自身で学習ログをとりながら学習を進めたい生徒もいます。
ですから、「紙の問題集を解く」という一律の宿題ではなく、ここでも選択肢を複数準備しておくのです。
- スタディサプリなど映像教材で学習する
- おすすめのyoutubeをリストにして配信する
- 英語などでは音声教材を活用する
- 問題集で解く前に、本質を理解できる読み込むタイプの参考書で学習する
他にも学習の方法はたくさんあります。
私自身は、数学科で以下の3つを実際に行なっています。
教員側が学習ログ取る点ではデジタルが便利なのですが、紙の問題集の方が勉強しやすいと言っている生徒も多いです。
問題集とは別に受験用参考書は、問題を解くことよりも考え方の記載が重視されているものを提供しています。
映像学習を併用することで、自身で家庭学習を進めやすいからです。
入試に向けた受験用問題集は自分のレベルに応じて自由に購入してもらいます。
「生徒自身が自分で学習を進める」という視点ですね。
自律の段階に応じで対応する
でも、生徒が自ら学びを創って学習を進めるって難しいのではないですか?
最後に「自律の段階」というキーワードで家庭学習の進め方を考えてみましょう。
「自律の段階」を考える際には、有機的統合理論が役に立ちます。
詳しく知りたい方は、こちらの記事もどうぞ!
有機的統合理論について簡単に説明すると
「内発的動機づけ」と「外発的動機づけ」を二項対立として捉えるのではなく、連続線上に位置づける考え方です。
そして外発的動機付けをさらに4つのに分けることで、自律の段階を細かく見ていくことができます。
有機的統合理論をもとに、生徒の自律の段階を分けてみます。
自律の段階 | 自律の状態 | |
---|---|---|
レベル0 | 無動機づけ | 全くやる気がない |
レベル1 | 外的調整 | 強制や報酬があれば動く |
レベル2 | 取り入れ的調整 | 授業で恥をかかないために取り組む |
レベル3 | 同一化的調整 | 教員の語る学習の価値を理解して取り組む |
レベル4 | 統合的調整 | 自身の希望大学や職と有機的に結びつけ、学習に取り組める |
レベル5 | 内発的動機づけ | その科目が面白くて、自ら学びを深めている状態 |
※近年の研究では「同一化的調整」と「統合的調整」に差が見られないことから、一つにまとめて「同一化的調整」としていることが多いです。
言われてみると、確かに同じ外部からの影響でも自律のレベルが異なりますね!
レベル5の内発的動機付けに達している生徒には、ある意味教員側からしてあげることはほとんどないかもしれません。
ポイントは、レベル4やレベル3くらいの生徒にとって、押しつけの宿題が悪影響に働くことです。
この段階の生徒にこそ、個別最適化された学習は大変有効です。
学習の意味や自身で学びを創ることの意義をしっかり伝え、学習に取り組んでもらうのです。
ある程度自律的に学習ができる生徒ですから、教師は学習教材や学習法のおすすめはしても強制はしないことがポイントです。
生徒の主体性に基づいた支援をしていきましょう。
レベル1や2くらいの場合は、どうするのですか?
こちらも自律の段階を上にあげる工夫が必要ですね。
中には学習に対して価値を見出せない生徒もいます。
だからといって、罰や叱責によって動かそうとしたり、安易な報酬で学習に向かわせることは教育活動としてイマイチです。
中学くらいまでは、「単語テストで表彰」などでモチベーションを上げるなんてこともあるでしょう。
きっかけとしてはよいかもしれませんが、最終的には学習の価値を理解して学びに向かって欲しいものです。
ある程度、教員側が学習計画をコントロールするなど、自律のレベルを3以上に持っていける支援ができるとよいでしょう。
教員の提示した学習モデルをもとに少しずつ自身で学びを創れるようにするのです。
家庭学習を選択できるようにしたからこそ、個別対応ができるんですね。
これからは内容を教えることも大切ですが、学び方を教えることが教師の役割になるのだと考えています。
具体的には、どのようにして自律的な学びを支援しているのですか?
学習ノートを用いた形成的評価を行なっています。
自律のレベルを高めるためには、「ノートが提出されていないから呼び出して叱責する」など自律のレベルが低い支援をしないことです。
あくまで、生徒の自律のレベルを上げられるような支援をしていくことが重要です。
私は宿題の提出を強制しません。
その代わり、知識・技能は試験で測ります。
自分なりにしっかり学習をした結果がテストに反映されるのです。
ただし、それだけでは学習が苦手な生徒への支援が不足します。
ですから、個別最適化された自学自習ノートを定期テスト前など定期的に回収します。
それを形成的評価に活用するのです。
- なぜテストで点数が取れなかったのか?
- 答えを写しただけになっているのでは?
- 基礎基本を疎かにしているのでは?
- 頭から順に解いてるだけで、広く学習できていないのでは?
- 基本問題ばかりで、思考力を問うような問題にチャレンジできていないのでは?
などのアドバイスをします。
成績に入れる総括評価ではありませんから、簡単なフィードバックです。
得意な生徒はある意味勝手に進めてくれますので、ちょっとしたアドバイス。
支援が必要な生徒には、しっかりとフィードバックを。
下図のように、生徒の自律の段階に応じて支援を調節しましょう。
そしてフィードバックをもとに、生徒自身が学びを改善して次の学習につなげるのです。
生徒の「自己調整学習力」を高める支援を心がけています。
これらを活用すれば、先述した「主体的に学習に取り組む態度」にも活用が期待できます。
ノート・学習計画表・振り返り・パフォーマンス課題などをうまく組み合わせることで、①粘り強い取り組み+②自己調整学習を評価できるのではないでしょうか。
これらは、一律の宿題では実現できないのです。
まとめ:教師の役割は生徒の学びを支えること
今回は、一律の宿題の問題点とその克服のための家庭学習のポイントを紹介してきました。
一律の宿題とは知識・技能の定着を図る家庭学習のことを指し、授業内の学びをもとに思考力・判断力・表現力を活用するレポートなどのパフォーマンス課題とは区別をして説明をしてきました。
一律の宿題の問題点は以下の4つでしたね。
まず出された宿題が、それぞれの生徒の学力や個性にマッチするとは限らないこと。
そもそも学びは自分で創るものであること。
そして、知識・技能の定着のための宿題を、主体的に学習に取り組む態度として評価することは本質でないということです。
そのため、個々の生徒の学力や学び方に応じた個別最適化された家庭学習を支援していく必要があるのです。
同じ問題集でも、難易度や重要度をしっかり区別することが大切です。
学習内容を細分化することで、生徒の学力に応じて選択・組み合わせができるようにします。
また、必ずしも問題集を解くことだけが基礎・基本を定着させるための学習ではありません。
映像学習や音声学習を活用するなど、視覚優位・聴覚優位の生徒への配慮も考えます。
さらに、問題数を増やして身につけたい生徒や理論をしっかり頭に入れたい生徒もいます。
個々の生徒が家庭学習を選択することで、自身で学びを創り上げることができるようにしましょう。
そうすることで「必要性を感じない」「受動的な取り組み」も減っていきます。
初めのうちは、生徒の実態に応じた学習方法のパターンをいくつか示してもよいでしょう。
少しずつ自律的な学びに向かえるように支援することが大切でしたね。
初めは教員が主導となって学習方法のパターンを示してもよいでしょう。
細く複数の学習法を提示しておくことで、学習がカスタマイズできる状態になっています。
ですから、段々と生徒が自分で学習を創るように支援をしていくことができるのです。
その際、生徒の自律の段階を意識することがポイントです。
- 強制や報酬で学習をさせるのではなく、学習の価値を納得させてあげること。
- 自身の進路と結びつけながら学習を進めることができるようにすること。
自律の段階が上がることで、より主体的な学習に変化していきます。
自律的な学びの支援には、形成的評価も欠かせません。
日頃の学習をもとに、ノートにコメントしてもよいですし、声かけをしてもよいでしょう。
ちょっとしたアドバイスが生徒に気づきを与え、よりよい学習方法を考えるきっかけとなるのです。
これからの教師像は、生徒の学びを支える伴走者の役割がより一層大きくなるでしょう。
学習内容をしっかり教える専門性を持っているからこそ、生徒の主体的な学びを促す支援もできます。
これまでの教師像も大切にしながら、新しい教師像を更新し続けることが大切なのではないでしょうか。
今回の記事が、一律の宿題に疑問を持っている先生方のお役に立てば幸いです。
▼今回の記事に興味を持ってくださった方は、こちらに記事もどうぞ!
うちの学校は、授業終わりに、週末に、長期休業にと大量の宿題を出します。
本当に生徒の身になっているのか疑問です…。