思いついたときにスマホやPCで入力をしておいて、それらを自動でまとめてくれるシートを作ってみてはどうでしょうか?
学級経営の基本は、生徒一人ひとりの活動の様子をしっかり見取り、それらを適切にフィードバックすることです。
しかし、その場で『いいな』と思ったことも、時間が立つと忘れてしまうのが人間です。
ですから、気づいたときにすぐメモを取り、後で見返せるようにすることが大切です。
記録に残しておくことで、後日の話題作りに活用したり、通知表・要録・調査書・推薦書などの所見にも活用したりできるでしょう。
そこで今回は、GoogleフォームとGoogleスプレッドシートを活用して、スマホやPCを開けばすぐにメモを取れ、集計までも自動で行ってくれるシートを作成してみたいと思います。
ぜひ先生方の学級経営にお役立てください。
使用する関数は、TEXTJOIN関数とFILTER関数です。
Excelやスプレッドシートなどにおける関数の知識があると、業務の効率が大きく向上します。
基本的な内容から説明していますので、ぜひご自身で作成してみてください。
※画像はMacのものですが、Windowsでも基本的な操作は同じです。
高校の数学教員として10年以上授業・学級経営を行っています。
ただ学習内容を教えるのではなく、「学び方を教える」をモットーに授業作りをしています。
ExcelをはじめICTを積極的に活用することで業務の効率化・システム化を図り、生徒と向き合う時間を増やしています。
目次
学級経営の気づきを記録しておこう
生徒の成長の様子を見取り、適切な声掛けをしていくことは、教職の重要な役割の一つです。
学習面はもちろんのこと、行事での活躍や日々の行動の中で生徒のよさを見つけ、そのよさを認めることで生徒の長所を伸ばしてあげることができます。
もちろん、生徒のよさを発見したときには、その場で声をかけてあげることが大切です。
そのうえで、さらに記録に残しておくことで、所見で評価するときや保護者との面談、職員同士の情報共有などにも役立ちます。
また、記録に残すことで生徒の行動の見取りに差がないかを可視化することもできますし、より生徒のよさを見つけようと日々の意識を高めることもできます。
記録に残しておくこと忘れないので、様々な場面で活用できそうです!
Googleフォームとスプレッドシートで管理する方法
早速、リスト作成のためのシステムを作ってみましょう!
よいところを見つけたときに、手書きでメモをしておくと管理が煩雑になります。
パソコンを開いてExcelなどで管理をするのがよいでしょう。
その際、
のは少し手間がかかる作業です。
スマホからでも簡単に入力できるフォームを作成し、そこにどんどん気づきを入力し、自動的に文章を結合してくれる関数を組んでおきましょう。
そうすることで、気軽にメモ感覚で気づきを入力することができます。
入力フォームをつくる
まずは、入力のためのフォームからです。
↑Googleフォームを立ち上げ、適当なフォーム名をつけます。
最初に「プルダウン」で生徒名の項目をつくります。
↑学校のサーバーから名簿をコピーします。
↑項目に貼り付けをします。(Ctrl+V)
↑項目に生徒名が貼り付けられました。
↑実際の入力画面では、図のように名前を選択できるようになります。
↑毎回生徒名を入力する手間がなく、楽になります。
↑続いて「段落」を選び、気づきを入力する項目を作成します。
↑これで、生徒名を選択し、気づきを簡単に入力できるフォームが出来上がりました。
↑アカウントアイコン左の「送信」からリンクを取得します。
リンクをブックマークすることで、スマホからいつでも簡単に入力ができます。
複数の先生とリンクを共有して、気づきを入れてもらうのもありですね!
よいアイデアですね!
入力された文章は、以下のように蓄積されていきますよ!
↑フォームの編集画面から「回答」を選択し「スプレッドシートにリンク」をクリックします。
↑「新しいスプレッドシートを作成」を選択します。
↑スプレッドシートができ上がり、入力した内容が並んでいます。
このままだと同じ生徒が何回も出てくるので、これらのデータを結合する作業に進みます!
スプレッドシートで出力画面をつくる
ここからは、上記で手に入れたスプレッドシートを活用して、生徒のよいところリストを作成していきましょう!
↑フォームから出力したスプレッドシートを用意します。
↑リスト作成用の新しいシートを作ります。
↑クラスの全生徒分の名簿を貼り付けます。
フォーム入力のプルダウンで選択した項目と一致させることが必要なので、「抽出名」を作成しておきます。
↑C2のセルに「=A2&” “&B2」を入れます。
↑スプレッドシートの場合、関数予測がでるので全員分コピーをします。(Excelのプルダウン同様)
こちらの作業は、入力のとき「1101 Aさん」というプルダウンにしているためです。
出席番号のみ・名前のみなど、はじめから一致している場合は不要です。
ここから、TEXTJOIN関数とFILTER関数を使用する作業に入ります。
↑入力コメントを結合させる列をつくります。
先頭行のセルD1に「コメント」と入れておきます。
↑D2に以下の関数を入力します。
↑入力したコメントが同一生徒の分だけ結合されて表示されました。
↑すべてのセルにコピーをします。
入力がない生徒については、エラーが表示されます。
これで次々と入力したコメントも、自動で一つにまとまりますね!
まとめ:「よいところリスト」を作成することで、学級経営を負担なく効果的に進めていこう!
今回の記事では、Googleフォームとスプレッドシートを用いて「生徒のよいところリスト」を作成してきました。
フォームを用いることで、スマホやPCから簡単にメモ感覚で入力ができるので、気づきを忘れる前に記録として残しておくことができます。
またTEXTJOIN関数とFILTER関数を用いることで、煩雑になりがちなメモを生徒ごとに自動でまとめることもできます。
これにより、気軽にメモを取りながらも整理の負担が最小限となり、生徒へのフィードバックに使いやすいシステムとなります。
生徒の日々の活動の記録は様々な場面で役立ちます。
などデジタル化のメリットは大きいです。
負担を最小限にしながらも、細かい見取りを繰り返すことで生徒の成長をサポートできる。
そのような学級経営を行いたい先生方は、ぜひ活用してみてください。
今回の記事が、先生方の学級経営のお役に立てば嬉しいです!
▼今回の記事に興味を持ってくださった方は、こちらに記事もどうぞ!
所見のために生徒の様子を記録しておこうと思うのですが、紙だと管理が煩雑になってしまって…。
何かよい方法はありませんか?