動画教材はたくさんのメリットがあるので、ぜひ挑戦してみましょう!
一人一台端末の影響もあり、近年では動画教材を用いた学習が当たり前になりました。
家庭学習では、教材化された学習動画をもとに個別最適な学習に取り組んでいくこともできます。
一方で、対面授業の必要性は変わらず、今後も学校に登校しての学習は続くでしょう。
ただ、これまでのような教師の一方通行型の授業だけでは、生徒の学びに限界があります。
これからの授業では、生徒がアウトプットをする、探究的な学びを進めていくような活動が必須です。
そこで役立つのが独自に作成した学習動画です。
実施したい教育活動にあわせた学習動画を作成することで、生徒の学びの幅は大きく広がります。
そこで今回の記事では、教育活動における動画作成のメリットを紹介していきます。
今回は動画作成記事の第1弾です。
高校の数学教員として10年以上授業を行っています。
ただ学習内容を教えるのではなく、「学び方を教える」をモットーに授業作りをしています。
ICTを積極的に活用し、生徒にとって効果的な学習方法や授業展開を日々研究しています。
目次
教員にとっても動画作成は必須のスキル
従来型の学習形態では、教員が板書し、生徒全員が一律に黒板に向かってノートに書き写します。
このような授業は、少なくなってきているとはいえ、まだまだ行われています。
もちろん、このような授業法のすべてが悪いわけではなく、目的に応じてさまざまな授業スタイルを取り入れていくことが大切です。
例えば
- グループ活動や発表活動などの学習形態を取り入れることで、目標に応じた学習手段を提供する
- 学習方法を生徒が選択していくことで、学習の個性化を積極的に進める
などが考えられるでしょう。
このような授業を活性化させるための手段の一つが、教員が事前に学習動画を作成することです。
コロナ禍で、教員による動画作成も当たり前になってきましたね。
だからこそ、全教員が簡単な動画作成スキルを身につける必要があります。
コロナ禍において、新しい授業スタイルに挑戦した先生方がいます。
そのような先生方にとっては、いまや動画づくりは一般的になってきました。
一方で、動画作成を行ったことがない先生方もまだまだ多いと思います。
また、若手の先生方はコロナ禍の一斉休校を学生として経験したものの、教員としては経験していないという人も多いでしょう。
一人一台端末が当たり前となった現在、教員も動画コンテンツを作成できるスキルは必須です。
これまで作成をしたことがない先生方も、ぜひチャレンジしてみましょう。
動画作成のメリット
でも、動画作成って時間もかかるし、手間に見合うメリットがないと挑戦しにくいですよね。
個人で授業動画が作れると、たくさんのメリットがありますよ!
本記事では、動画作成の具体的な手順の前に、そもそも時間をかけてまで動画を作成することのメリットを紹介します。
ご自身の実現したい教育活動と照らし合わせてみて、作成に向けたモチベーションを高めてもらえると嬉しいです。
動画を自ら作成するメリットは以下の5つです。
順に紹介していきます!
反転学習に使える
事前に動画を作ってポイントを説明しておくことで、教員からの一方通行な解説を短くすることができます。
すると、授業では思考力を高める活動に時間を割いたり、学んできたことをグループで協議をしたりする時間を取ることができます。
他にも、生徒の発表活動や事前にでてきた疑問を解消する時間に授業を充てることもできます。
生徒主体の反転学習ですね!
必ず押さえるべきポイントや生徒だけでは難しいところを動画にしておくと、授業がうまく進みます。
教科学習の動画などは、民間企業が作成するコンテンツも個別最適化された学習として大変優秀です。
ただ特定の授業に活かせるものとなると、自身のねらいにそった授業動画が必要です。
一番伝えたいこと、授業の流れを意識して作れるのが、自身で動画作成をするメリットでしょう。
動画を作成する負担が大きい場合には、学年を担当する教科の先生同士で分担をすることもできます。
「第1章は〇〇先生担当」のようにしておくと、クラス間での授業差もなくなりますので、学年の方針として取り組む場合にはおすすめです。
解説動画で「授業時間を確保」&「個性化された復習」ができる
2つ目は、授業と別枠の学習動画をつくれることです。
定期考査後に解説の時間をとっている先生も多いと思います。
ただ、進学校などの高校では、進度の関係から十分な時間を確保できないこともあります。
また、「そもそも全員が解説の時間を必要としているか」という疑問もあります。
例えば、90点を取った生徒と30点だった生徒とでは、解説してほしい問題が異なります。
そのように考えると、解説に時間を取ることは、テスト勉強をしっかり行なった生徒にとっては無駄な時間であるとも言えます。
そこで、動画を作成することで、自分の必要な問題だけ試聴できるようにするのです。
動画を作成することで
- 復習が必要な問題だけを学習できる
- 繰り返し再生をすることで納得がいくまで確認できる
- 授業時数を圧迫しない
- 上位層向けの発展的な話も盛り込める
などのメリットも考えられます。
復習に使うだけではなく、授業時間では伝えきれない別解や+αの話を盛り込むことで、高得点者の学びにも使えるようにできるのです。
さらに、家庭学習でしっかり復習ができたかを確認するために、単元テストをもう一度行ったり、振り返りをチェックしたりすることで、より効果的な動画視聴を進めていくことができます。
自分の分身をつくれる
3つ目は、動画内に自分のコピーをつくれることです。
前項で紹介したテスト解説動画のメリットは、授業時間を確保することだけにとどまりません。
テスト返却の時間をフィードバックの時間に充てることもできるのです。
授業時数に余裕があるのならば、リアルな人間がテストを返却しながら、今回のテストに向けた学習について簡単な面談やフィードバックを行います。
その裏で、各自が動画を視聴しながら復習を進めていくことも可能です。
つまり、生の自分がフィードバックを行い、動画の自分が解説をする。
この分身の術が動画作成の大きなメリットの一つです。
1時間の授業が2時間分になってしまうのですね!
時間を倍にすることもできますが、クラスを増やすこともできますよ!
また動画による分身として、学年単位で進める授業への活用も考えられます。
例えば、総合的な探究の時間などは、多くの学校で担当者がカリキュラムを開発しています。
そして探究に詳しい担当者が全体に向けてファシリテーションをするなど、学年全体で授業を進めることも多いでしょう。
そのようなとき、常に学年集会の形で授業を行うことはできません。
基本的な授業は、各クラス担任の伴走のもと行うことになるでしょう。
このとき、クラスによって温度差が出ないように、探究的な視点や今後のスケジュールなどは共通理解として伝えておきたいこともあります。
そこで、動画を作成して冒頭で流してもらえば、クラスごとの認識のズレや温度差が最小限に抑えられます。
ミーティングアプリで接続をするとライブ感があるメリットもありますが、接続の時間が無駄になることもあるので、そのような場合は動画がおすすめです。
ゼミ形式などで取り組んでいる場合は、各教室に散らばっているので、動画が便利そうです!
欠席者も学習内容を確認できる
4つ目は、欠席者が学習内容を確認でき、聞き逃しも防げることです。
先ほどの総合的な探究の時間は、標準実施単位数が1単位です。
そのため、欠席をすると周囲から遅れをとってしまうこともあります。
そこで、動画のリンクを共有しておけば、感染症などで休んでいた生徒も状況を確認できるため、遅れる心配がありません。
このように動画はストックさせることができるのもメリットです。
また、授業参加者も授業内で落とした内容をもう一度見直すことで、学習の進め方や締切などを確認することもできるでしょう。
教科学習の解説動画はもちろん、授業動画なども自分の学習のタイミングで試聴することができるのです。
教材の理解につながる
最後は、自身の教材や学習展開案への理解が深まることです。
生の授業では、生徒の表情を見ながら進めることができます。
一方動画では、こちらが説明をしていくだけのものです。
すると、生徒に分かりやすく解説をするために、また授業が効果的に進むための説明となるように、いつも以上に内容を吟味するでしょう。
そのような中で、より教材について理解を深めたり、学習展開について考えていくようになります。
- 補足説明は十分か
- 逆に説明がくどすぎないか
- スムーズに探究活動が進められる展開になっているか
上記のような分析力は、授業においても必須なスキルです。
学生のころに、空授業をしたことを思い出しました。
動画を作成するタイミングで、活動内容を考え直すこともできますね!
まとめ:動画を利用して、より生徒の成長につながる活動を実施しよう!
今回の記事では、教育現場で活かす授業動画を作成するメリットとして、5つの考え方を紹介してきました。
一人一台端末が当たり前となった近年、オンライン学習教材も豊富になり、家庭学習で積極的に利用している学校もあります。
しかし、独自で考えた授業計画を実施するにあたっては、自身で動画を作成することで教育動の幅が大きく広がります。
そのため、教員も動画を作成できるスキルが求められます。
このように動画を作成することで、これまで以上に授業の幅が広がるでしょう。
そして、動画を作成することが目的ではなく、目の前の生徒がより成長するための手助けに動画を役立てる。
そのような視点で動画教材を活用すると、もっともっと教職が楽しくなると思います。
今回の記事をきっかけに、「動画を活用した教育活動にチャレンジしてみたい!」と思ってもらえたら嬉しいです。
▼次回、第2弾の記事では、手間なく簡単に動画を作成する方法を紹介します。
coming soon…
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学校で自前の動画教材を用意している先生がいます。
僕も挑戦したみたいのですが、動画作成について教えてください!