
不必要であれば、しっかり断ることが大切ですよ!
新生活が始まり、少しずつ学校にも慣れてきたころ。
「先生、新社会人になったばかりと聞いて伺いました。保険のこと、少しお話だけでも…」
「この学校に務めている方も、こちらの保険をかけられますよ」
など、保険の営業がたくさん来ます。
はじめは右も左もわからず、事務室から電話が来ると対応をしてしまいます。
でも――
学校に来る保険の勧誘は、基本的に断ってOKです。
むしろ断るべきでしょう。
そこで今回の記事では、「保険を断る理由」と「断り方5選」を紹介していきます。
初任の先生は、特に必見です!

余計な気を使わずに、業務に集中できる環境をつくりましょう!
高校の数学教員として10年以上授業を行っています。
ただ学習内容を教えるのではなく、「学び方を教える」をモットーに授業作りをしています。
教師という仕事が好きで、お金を気にせず「学び続ける教師」として働き続けるために、お金の勉強についても発信しています。
目次
初任者ねらいの保険営業
具体的な名前は挙げませんが、教員用・公務用の保険に多くの先生方が加入さています。
そのため春先になると、すでに加入されている先生方の保険見直しのために、保険営業の方が職員室に入室することもあります。
どこからなのか社会人になりたての情報を掴んでいるため、そのタイミングで新規加入の誘いを受けることになるのです。
初任者、特に社会人1,2年目は、右も左も分からない状態です。
そのようなとき、学校に訪問してくる保険営業の方がいれば、「対応しないといけないのかな?」とお客さん扱いをしてしまいます。
そして話を聞いているうちに、不必要な保険に加入してしまうのです。
同僚の先生方も初任のころに加入をして、教員生活の間ずっと加入し続けているケースも少なくありません。
なぜ保険を断るのか
初任時代に保険をなぜ断る必要があるのでしょうか?
私自身の失敗談とともに紹介をします。
業務時間内だから
先述したとおり、訪問者が来校するとお客さんとして対応してしまいます。
しかし、教材会社や大学・専門学校などの訪問者と異なり、保険の話を聞くことは業務ではありません。

私自身も初任のころに失敗をしました…。
社会人1年目の春、事務室から職員室に電話があり、訪問された営業の対応をしていました。
応接室で対応をしていたところ、断っても断っても引き下がられて、気づいたら1時間程度の時間が経っていました。
その後、職員室に戻ろうとすると、事務の職員担当の方から「時間休暇を取らないとダメ」と注意を受けてしまいました。
保険はあくまで個人の生活の話です。
職務専念義務がある以上、業務中に個人的な内容で席を離れてはいけません。
ただでさえ教員の業務は多忙です。
授業準備などの業務に支障も出るので、必要のない営業はしっかり断りましょう。
独身で民間の生命保険などはいらないから
保険は助け合いの制度です。
多くの人から少しずつお金を集め、何かあった人に大きなお金を渡してあげるものです。
つまり、めったに起こらない(確率が低い)、自分でお金が用意できない(損失が大きい)ものに備えるものです。
保険の営業は、だいたい「生命保険」や「医療保険」、「貯蓄型保険」などです。
就職をしたばかりであれば、おそらく子どもがいないでしょうから、生命保険は必要ありません。
では医療保険はどうでしょうか?
日本の公的保険には「高額療養費制度」があります。
医療費の家計負担が重くならないよう、医療機関や薬局の窓口で支払う医療費が1か月(歴月:1日から末日まで)で上限額を超えた場合、その超えた額を支給する「高額療養費制度」(こうがくりょうようひせいど)があります。
引用:厚生労働省
入院・治療費が月100万円かかったとしても、教員の年収であれば、つき8万円〜9万円程度に収まることがほとんどです。(令和7年3月現在)
詳しい計算は、厚生労働省や自治体の共済組合のHPよりご確認ください。

私自身も5日間の入院を経験し、それなりの金額になりましたが上記の金額で収まりました。
したがって、医療保険についても一度ボーナスを貯金して生活防衛資金をためておけば、損失が大きすぎる額ではないのです。
保険営業の断り方5選
学校には多くの営業の電話や訪問があります。
ベテランの先生は、「結構です!!(ガチャ)」とできるのですが、社会人1、2年目はなかなか難しいですよね。

ここからは、訪問営業の断り方を私自身の体験から紹介します!
ご自身の性格に応じて、よさそうなものを使ってみてください。
一番は「勤務時間中なので。」と伝える
勤務時間中に訪問があった場合は、
「勤務時間中なので」
が一番です。
先述したとおり、保険の契約は私用であり、営業の方は業務上のお客さんではありません。
一番の正論でお断りをしましょう。
ただし、この場合には、休み時間や定時付近に来校する可能性もあります。
教員のお昼休みは実質ゼロですが、法律上はお昼休みなので「勤務時間中」の文言は使えません。
また、定時ごろに来校されることもあります。
放課後の定時過ぎであれば、こちらも服務規律の問題はなくなってしまいます。
「親が代理店に勤めているので、すべて任せてます。」

次は保険に関心がない場合の伝え方です。
保険に関心がないことを伝えるだけだと、保険の必要性など営業の話が長引く可能性があります。
そこで
「親が代理店に勤めているので、すべて任せてます。」
など、すでに保険に入っている、親戚との付き合いで入る会社を決めている旨を伝えるのです。
そうすることで、「この人には保険は売れないな」と思ってもらうのです。
ただし、こちらの場合も
「保証足りてますか?」
「どこの保険会社ですか?」
「どのような内容の保険ですか、それなら別のこちらも」
なんて探られることもあります。
知識があることを見せる

逆にしっかりと知識をつけておくことで、自信を持って断ることもできます。
前章で紹介した「保険の本来の役割」や「高額療養費制度」など、知識をしっかりつけておくことも保険を断る有効な手段です。
しっかり知識を持っていれば、何を言われても動じることはありません。
相手も「この人には売りつけられないな」と思うことで、無駄な時間をかけないよう諦めてくれます。
例えば以下のようなものがあります。
20代前半でこれだけのことを理解していれば、相当な金融リテラシーの持ち主です。
おそらく必要以上に勧誘は来ないでしょう。
▼投資の考え方についてはこちらの記事で紹介しています。
事務室で追い返してもらう

直接断りにくい方は、そもそも繋がらないようにお願いをしておきましょう。
高校には事務室があります。
電話や訪問者は、必ず事務室を通ることになります。
ですから、事前に事務職員の方へ「営業は断ってほしい」と伝えておくことも方法の一つです。
電話が職員室へ来たら
「授業中ということにしてください。」
「必要ないので、申し訳ないですがお断りしてください。」
などと伝えましょう。
ただ事務室が設置されていない小中学校の先生方は、あまり使えない方法かもしれません。
きっぱり「必要ありません。もう来ないでください。」と伝える

最終手段は、きっぱり断ることです。
教員は立場もあるため、穏やかにものごとを進めていくことが必要です。
そのため上記で紹介したように、丁寧にお断りをする方法を紹介しました。
しかし、それでも何とか契約をもらうために度々訪問があることも珍しくありません。
そこまでになってしまったら、遠回しな言い方をせず、きっぱりと断りの一言を伝えましょう。
「必要ないのでもう来ないでください。」
この一言で十分です。
ポイントは「もう来ないでください。」を伝えることです。
「必要ない」は話を聞いているうちに必要になるかもしれないからです。
きっぱり断ることで、時間のムダを省くことができるので、業務に支障をきたすこともありません。

私自身も休暇対応の注意をされてから、馬鹿らしくなりはっきり伝えました。
それ以来、訪問はなくなりました。
まとめ:不必要な営業は断り、業務効率を上げよう!
今回の記事では、初任者や社会人になりたての先生に向けて、学校に来る保険営業を「断る理由」と「断り方5選」を紹介しました。
初任の先生に、生命保険・医療保険・介護保険・貯蓄型保険などが不必要な理由は以下のとおりです。
また、そもそも業務時間内に私的な内容である保険について時間を取ってはいけないのです。
さらに、教員の業務は多忙ですから、唯一の空き時間を無駄にはしたくありませんよね。
そこで、保険の営業を断る方法を5つ紹介しました。

この中から、自分の性格にあったものを選ぶとよさそうです!
教員生活のスタートは、学級運営や授業準備など、学ぶべきことが山積みです。
その大切な時間を、必要のない営業対応に取られないようにしましょう。
ただ、「なんとなく断れない…」という気持ちは多くの人が持つ悩みです。
今回の記事が、不必要なものをしっかりと断わるための手助けとなれば嬉しいです。

自分の時間とお金を守るのは、自分自身です。
安心して学びと成長に集中できる環境を自ら作っていきましょう。
▼今回の記事に興味を持ってくださった方は、こちらの記事もどうぞ!
新年度は、保険の勧誘が多くて大変でした…。