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【中高生向け】「なぜ学ぶのか?」他者のために学ぶ視点で自身の学びを深めよう!

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生徒さん

将来のために学ぶことが大事なのはわかるけど、いまいちモチベーションが上がりません。

きょういち

学びは他者のためにもなる。

そのような視点を持ってみるのもありですよ!

 

誰しもが一度は考えたことがある「なぜ学ばなければならないのか?」

今回の記事は、「なぜ学ぶのか?」シリーズ第6弾です。

 

まず初めに毎度お馴染みの前提です。

それは「なぜ学ぶのか?」に答えはないということです。

 

▼「???」と思った方は、ぜひ第1弾の記事を読んでみてから本記事をお読みください。

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学ぶ意味は人それぞれ。

ですから、みなさん自身が納得できる理由を探していく必要があるのです。

 

その上で今回の記事では、自分のためだけでなく、他者のために学びを深める視点から学ぶ意義を考えてみたいと思います。

  

学びを深めるための視点として、京都教育大学の伊藤先生は次の視点に着目をしています。

  • I視点(自分)
  • You視点(あなた)
  • We視点(みんな)

これらの視点は私自身の経験からも、学びが深まる考え方です。

 

今回はこの視点を参考にし、私なりの考え方で学びの特徴について紹介します。

 

自分のために勉強をするだけでなく、みんなのために勉強をする。

一見不思議ですが、学ぶ理由の一つとして、大変面白い視点になると思います。

 

ぜひこれまでの「自分のために学ぶ」視点から、「他者のために学ぶ」視点を取り入れることで、さらに学びを深めてみてはいかがでしょうか。

 

きょういち

みなさんの「なぜ学ぶのか?」に対する納得解の一つになれば嬉しいです。

この記事を読んでほしい方
筆者の経歴

高校教員として、数学を10年以上教えています。

内容をただ教え込むのではなく、「数学の学び方を教える」をモットーに授業を実施しています。

生徒が主体的かつ協働的に学ぶ授業スタイルを目指し、「なぜ数学を学ぶのか」を意識した授業を心がけている。

学びの目的は3つの視点がある

学びというと自分が知識を増やしたり、大学進学や就職のために学習をする印象が強いと思います。

学びには、自分のために学ぶ視点が中心になりつつも、他者の視点からも考えることができます。

 

つまり

  • 自分のために学ぶ
  • 目の前の人のために学ぶ
  • 周囲のみんなのために学ぶ

という視点です。

 

きょういち

例えば、大人の目線から私自身の例を紹介してみます。

自分のための学び・自分自身が教育者として楽しむために学ぶ
・キャリアの中でより重要度の高い仕事をするために学ぶ
相手のための学び・目の前の生徒の成長につながる授業を行うために学ぶ
・家族(子ども)に楽しく働いている姿を見せるために学ぶ
周囲のための学び・自身の実践が他校の参考となる教育活動になるよう学ぶ
・自分の関わった生徒が社会をよりよくしてくれるよう学びを追求する

 

このように、学びには誰かのために学ぶという視点もあるのです。

 

生徒さん

昔から「あなた自身ために勉強しなさい」って言われてきたけど、誰かのために学ぶという視点があるのですね!

 

高校生の学びに応用してみよう

生徒さん

でもまだ高校生だし、誰かのために学ぶって実感はないです…。

きょういち

学校の授業内でも「他者のために学ぶ」の視点はありますよ!

 

自分の将来のために学んでいる高校生でも、3つの視点を考えることができます。

  • 進学・就職に向けて学ぶ
  • いつか自律して生きるために学ぶ
  • 将来、仕事を通して社会貢献するために学ぶ

などが考えられます。

 

ただ、やはり家族や社会のためというとイメージが持てませんね。

 

そこで、いま現在の学びの中心である授業について、3つの視点を使って整理してみましょう。

 

京都教育大学の伊藤先生は以下のような視点を整理しています。

引用:伊藤 学習の自己調整,共調整,社会的に共有された調整と自律的動機づけの連続体との関係

 

これらの視点に着目した学びを行うことで、自己調整学習(自身で振り返り学びをつくっていくこと)と学習への動機づけについて、弱いながら関係性が示されています。

 

きょういち

この3つの視点を参考に、次項では私自身の教員生活の中で感じた生徒の学びについて紹介します。

 

自分で学びを進めるI視点

まずは、最も分かりやすい自分自身で学習に取り組む視点です。

 

これは自分自身で問題を解いたり、意見を書き出したりすることです。

誰しもが取り組んでいるものですね。

 

また自分自身の目標が達成されているか、学びは順調かなどを振り返ることも重要です。

自分の学びを知ることで、次回までに取り組むことが明確になったり、次の授業の改善点が見つかるからです。

 

ともにゴールを共有するWe視点

一方で、グループ学習を行う際に「自分だけ問題が解けていればよい」というのは、あまり望ましい態度ではありません。

グループ全体が目標を達成できているか進捗状況はどうかなどを「みんな」の目線で振り返るのです。

自分の学びを他者と共有することで、グループ全体や教室全体の学びに貢献する意識が芽生えます。

 

例えば、

  • グルーブ全体で目標を達成するために必要な思考をめぐらせる。
  • 一人一人の意見をもとに新しい発想が生まれる。
  • 一人の疑問が全体の学びにつながる。
  • 全体が課題を解決することで、より高い難易度に挑戦していくことができる。

 

このようなことは授業で多くあります。

自分の学びを他者に共有したり、他者から意見をもらうことでより学びが深まっていくのです。

 

学びを支え合うYou視点

困っている仲間を助ける、逆に助けを求めるということも大切な視点です。

相手に説明をしようと思うと、ただ問題を解くだけでなく、本質的な理解を要します。

また、分かりやすくするために前提を捉え直したり、関連する知識を整理する必要もあります。

 

このように、相手の学習を深めてあげるためには、自分が学ばないといけない状況が生まれるのです。

自分だけで学習をするよりも、さらに学びが深まっていくのです。

 

生徒さん

We視点やYou視点を取り入れることで、周りの学習が深まるだけでなく自分の学びにもつながるのですね!

 

まとめ:他者のために学ぶ視点を持つと自分の学びも深まる

今回は、「他者のために学ぶ視点で自身の学びを深める」をテーマに学ぶ理由を紹介してきました。

一般的に学ぶ理由は、自分が進学をするため、キャリアアップをするため、収入を上げるためなど、自分自身のために学習をすることがほとんどです。

 

しかし、異なる視点を持ってみることも大切です。

自分の学びが他者の学びを深め、他者が自身の学びの質を高めてくれる。

一人一人がそのような意識を持てば、相乗効果で集団の学びはどんどん深まっていきます。

 

多くの高校生は、わざわざ通学時間をさいてまで学校に通って対面の授業を行っています。

自分だけの学びではなく他者との学びの視点を持たなければ、時間がもったいないですよね。

 

せっかくですから、他者のために自身の学びを深める視点を持ってみましょう。

その学びは、巡り巡って自分のさらなる学びにつながります。

生徒さん

「情けは人の為ならず」の学びバージョンですね。

 

他者の視点を持つことで、自分も周りの人も豊かになっていく。

そのために、まずは自分から学び続けていくことがスタートです。

 

学校の課題や予習・復習など、ときに嫌になることもあるでしょう。

そのようなときは、「クラスメイトのためにちょっと頑張ってみるか!」と、気持ちを切り替えてみるのも良いかもしれません。

 

きょういち

今回の記事が、みなさんの「なぜ学ぶのか?」の一つに加われば嬉しいです。

 

▼今回の記事に興味を持ってくださった方は、こちらに記事もどうぞ!

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参考・引用文献
  • 伊藤崇達 (2017).学習の自己調整,共調整,社会的に共有された調整と自律的動機付けの連続体との関係 京都教育大学教育実践研究紀要,17,169-177

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